「一杯のコーヒーからできること」 小川珈琲 【SDGs 持続可能な生産者と地球環境の保護】 

   苦味のエッジが効いた濃い目のコーヒーが好きだ。

   私は、京都右京区西京極で60年以上にわたって美味しいコーヒーを追求し続けている「小川珈琲」のファンである。小川珈琲は、妥協しない味わい深いコーヒー作りにこだわると同時に、 地球の自然環境を守る活動や、持続可能な社会を保つ活動にも目を向けている。エシカル消費を出来るだけ増やそうと思っている私にとって、美味しく、地球環境に優しく、生産者思いの経営を続ける小川珈琲のコーヒー豆を買うことは、ささやかなSDGsへの貢献につながる。

   コーヒーは、「コーヒーベルト(またはコーヒーゾーン)」と呼ばれる栽培に適した地帯でほとんどが生産されているが、地理的には赤道を挟んで北緯25度から南緯25度までの一帯をさす。この地域に位置する主要な原産国は、グアテマラ コスタリカ ジャマイカ ブラジル コロンビア ペルーなどの中南米諸国、タンザニア ケニア ルワンダ エチオピアなどのアフリカ諸国、ベトナム インドネシアなどのアジア諸国がある。これらほとんどの国々は  開発途上国であり、 立場の弱い生産者においては国際市場で決められるコーヒー価格を知ることが困難であり、多くの場合、不利な条件で業者に買いたたかれて生産コストを下回る価格で売らざるを得ない状況に追い込まれてしまうこともある。

   コーヒーチェーン店として急成長を遂げたスターバックスが10年ほど前、生産者の利益を搾取する形でコーヒーを調達していることが明るみに出て、多くの人が不買運動をしたことがあった。現在はどうかわからないが、スターバックスの原価構造では、例えばトールサイズのコーヒー330円のうち、コーヒー農家に支払われるのは3~9円で、ほとんどが仲介業者・輸入業者・スターバックスの儲けになっているとのことであった。こんな取引を続けていては、開発途上国はいつまでも先進国経済の犠牲となり、生産や生活に必要な利益を得られず、不安定な生活を余儀なくされてしまう。

   フェアトレード制度はこのような背景から生まれ、公平な取引を原則に「最低価格保証」、「長期的な取引の促進」、「必要に応じた前払いの保証」、「民主的な運営」、「安全な労働環境」、「現代奴隷や児童労働・強制労働の禁止」、「農薬・薬品の使用削減と適正使用」、「土壌・水源・生物多様性の保全」、「遺伝子組み換え品の禁止」などの条件をクリアし、現地の生産農家と自然環境を保護していく取り組みとなっている。小川珈琲は、2004年に国際フェアトレード認証ラベル商品の製造ライセンスを取得した。

   また、小川珈琲は、 2005年に日本で初めて「バードフレンドリー®認証コーヒー」の販売をスタートした。この認証は、 アメリカワシントンD.C.にある世界最大の学術研究機関であるスミソニアン協会が1999年に認証基準を設定したもので、低コスト化を図るため森林を切り開き、収穫を機械で行うコーヒー農園が増えたことによる自然環境破壊による渡り鳥が減り続ける現状を改善する取り組みである(渡り鳥のための森林保護の取組は9月26日の「渡り鳥に想う」のコラムで書かせて頂いているので、そちらもご覧いただければ幸いである)。 「バードフレンドリー®認証コーヒー」 は、防風や直射日光の緩和効果があるシェードグロウン(木陰栽培)による持続可能な農園で作られる。 森の中でゆっくりとコーヒー豆が育つため、品質が大変良い。

   このほか、化学的に合成された農薬や肥料、遺伝子組換えなどに頼らない有機栽培コーヒーを使用し、 2001年には京都工場で「有機JAS認証」を取得している。さらに、インドネシアでは、絶滅危惧種のスマトラオランウータン・タパヌリオランウータンの保全活動を推進している非営利団体「PanEco(パン エコ)」と協働してオランウータンの住む熱帯雨林の生態系と同時に生産者支援に参加している。2017年から販売されている「オランウータンコーヒー」を買うと、一部が現地へ寄付される仕組みとなっている。

   ”コーヒーが出来るまでの長い道のりを語ることにより、大地の恵みのありがたさ、そこに汗して働く人々の姿が感じられると思います。そして、そのつながりがわかれば、守らなければならないものが、見えてくるのではないでしょうか。(原文ママ https://www.oc-ogawa.co.jp/message/)”と、小川珈琲の代表取締役社長である小川 秀明氏はHPの社長あいさつで述べられている。はるか遠い異国の大地で栽培され、海を渡ってやってくるコーヒーであるが、コーヒーの木を育て生豆を摘む人々、運ぶ人々、豆を焙煎する人々、消費者へ販売する人々。一杯のコーヒーには、そのすべての人々の思いが詰まっている。

   香り豊かなコーヒーとともに素敵な時間を過ごしたい。

 

 

パンチョス萩原 (Soi コラムライター)

京都 小川珈琲 SDGs宣言  

https://www.oc-ogawa.co.jp/sdgs/

外務省 SDGs Action Platform 取組事例 https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/sdgs/case/org1.html

東日本コーヒー商工組合  
https://www.ejcra.org/column/ca_68.html

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