「アンサンブルの神髄はハーモニー」

『のだめカンタービレ』の好きなシーンのひとつがこちら
「袖口と……世界の調和のアンサンブル」です♪

マルレオケのコンマス シモンさん

アンサンブルの神髄はハーモニー
ようするに「調和」だ
この調和は古代ギリシャの時代「ハルモニー」と呼ばれ
キリスト教社会になった時
「神のつくりたもうた世界は
 素晴らしい調和によって創造されている」
(略)
音楽の本質は「調和」にあるのだ
それを表現するのが真の「音楽家」なんだ    

引用元『のだめカンタービレ』16巻

 

アンサンブル(ensemble)とは、フランス語で「一緒に」の意味で
音楽用語では、2人以上が同時に演奏することです。

オーケストラでは、バイオリンやトランペットなどの様々な楽器が
一緒に演奏し、ハーモニーを奏でます。

この社会もまた、多様な人々と組織がともに活動しています。
持続可能な社会を実現するためには、つまり「調和」を生み出すには
みんなで協力して取り組むことが大切です。

Soi=Social Integrationは
ビジネスにソーシャルを融合しようというコンセプト。

いうなれば、Soiは
ビジネスとソーシャルの「ハーモニー」を表現する音楽家なのです。

Cantare Kaoru

平和の門が教えること 【SGDs 平和と公正をすべての人に】

   「広島」と聞いて何が頭に浮かぶ?と言われたら、カキ、もみじ饅頭、お好み焼き、大林宣彦監督の尾道三部作、しまなみ海道…、など人それぞれであろうが、「広島と長崎」と聞いて何を思い浮かべるか?と言われたら、ほとんどの人は「原爆」と答えるに違いない。 歴史上の事実として今から75年前の8月に日本人は原爆投下や終戦を経験した。そして、いかに時代が移ろうとも、新型コロナの今年であろうとも、広島と長崎におけて平和祈念式典は毎年必ず行われている。10代や20代の感受性豊かな頃に実際に戦争体験をした方々はすでにかなりの高齢となり、悲惨な戦争の語り部は年々減少しているが、地下鉄九段下駅から歩いて1分にある「昭和館」では当時学童疎開していた時の体験、さらには映画3丁目の夕日で垣間見た戦後復興の記憶を伝承しようとする働きが再び脚光を帯び、その活動に参加することがシニアの方々の生きがいにもなってきていると聞く。 そんなシニア世代をテーマにさまざまな研究を一つの学術体系として定義する「ジェロントロジー」という学問があるが、それについては今後のコラムの中でご紹介してみたいと思う。 今日はSDGsの中でも最も重要とも言うべき平和を題材に考えてみたい。
   一般的に「平和」というと、これもいろいろなイメージが頭に浮かぶ。また似たような言葉に「和平」というのもあり、何となくとしか違いがわからない。 平和も和平も、よくテレビのニュースで耳にするため、メディアはどう使い分けるのかをNHKのHPから調べてみると、“「平和」は戦争や災害などがなく穏やかな「状態」を指します。いっぽう「和平」は、悪い状況から平和な状態になること、または平和な状態にすること、という「状態の変化」を表します”とある(出典:NHK放送文化研究所 最近気になる放送用語より)。平和という言葉は状態そのものであるから「平和な~」という言い方で使われ、状態の変化を表す和平という言葉は文法的に「和平な~」とはできないそうだ。余談であるが、このサイトには「材木」と「木材」の違いも載っていて面白い。
   いろいろと調べる中で「平和」という言葉自体が明治以降、英語のPeaceを訳したときに出来た言葉であること説が有力ということを知った。 英語のPeaceという単語の語源自体はラテン語の pax(パークス)、フランス語のPaix(ぺ)、イタリア語のPace(パーチェ)…などであり、もともとは「協定・講和・武力による平和」などの意味である。 「平和にする」という動詞はPacificate であるが、日本では「平和の」という形容詞で使われるPacificの方を耳にすることが多く、Pacific Oceanのことを「太平洋」という平という字を用いているところからも、平和という言葉が外来語由来であることがわかる。ちなみにPacific Oceanという言葉はスペインの冒険家マゼランが16世紀に太平洋を渡った時、波も少なく快適に航行できたことに感激し、「Mare Pacificum(穏やかな海)」と名付けたのが始まりだそうだ。平和には風もなく穏やかなイメージがあるが、いつブリザードで荒波が立つ海のようになるかわからないことも忘れてはいけないと思う。


   話を広島と長崎に戻すと、今年もテレビで平和祈念式典の様子が報道されていた。広島市は参列者をソーシャルディスタンスを取るために毎年の5万人から800人に留めたそうである。 平和記念公園からのテレビ中継では公園の中心にあるアーチ形の原爆死没者慰霊碑の前に参列者が座り、正面に見える原爆ドームを借景としている映像がよく映し出されるが、公園の南側を100メートルにわたり東西に走る平和大通りにある「平和の門」も大切なモニュメントである。

   この作品は、フランスの芸術家クララ・アルテール氏と建築家ジャン=ミッシェル・ヴィルモット氏によって戦後60周年の2005年に制作された高さ9メートル・幅2.6メートル・奥行1.6メートルの強化ガラス製であり、柱状の門が10基並んでいる。そのすべての門と敷石には、世界49か国の言葉で「平和」を意味する言葉が書かれている。広島広域観光情報サイト「ひろたび」による紹介文には、平和の門は、“歴史を越え、未来に向かって開かれた記憶と希望の「かけはし」を表現しています”とある。 また広島平和記念資料館のサイト上では、「10」という門の数は、“イタリアの詩人のダンテが書いた『神曲』の中に出てくる9つの地獄に、その当時では想像もしえなかった広島の被爆体験という生き地獄を加えたもの”という意味があるそうで、原爆という悲惨な過去を改めて現代を生きる人々が見つめることで、平和ある未来へ希望を持とうという願いが込められているのである。

   それにしても地獄を門10基に世界中の平和を意味する単語を書き添えて希望の門に変えるという発想は凄すぎる。


   平和の門が教えるように、人々は、地獄のような困難を乗り越えて平和を得ているのである。現在、未だに貧困国における経済発展や環境保護、さらには猛威をふるっている新型コロナのさなかにあっても、世界中の人々は必死に平和な日々を求め努力している。平和とは、人々が自ら作り出す努力の結果に他ならない。さまざまな困難はあるが、平和を作り出す担い手の一人でありたいと思う。

パンチョス萩原

ISRのすすめ 【ESG】

   CSR(コーポレート・ソーシャル・レスポンシブリティ)という言葉は現在多くの方々に知られている。横文字なので海外から流入された「経営者における考え方」のような印象を受けるが、日本にもこうした考え方はずいぶん前からあった。 ネット上に公開されているニッセイ基礎研レポート2004年5月版の「日本の「企業の社会的責任」の系譜(その1)(社会研究部門 川村 雅彦氏による監修)」を拝読すると、日本では1956年の経済同友会決議「経営者の社会的責任の自覚と実践」がその基点となっているらしい。 

   この「企業の社会的責任」こそがCSRの概念である訳だが、実は具体的なCSRの定義はなく、企業が果たすべき様々な責任、例えば、法的な責任、経済的な責任、倫理的な責任、社会への貢献責任、環境への配慮責任などが包括的に含まれている。また、最近ではガバナンスの側面から企業倫理、法令遵守(コンプライアンス)、不正・腐敗防止、労働・雇用、人権、安全・衛生、消費者保護、社会貢献、調達基準、海外事業などの倫理面や社会面が強調されることも多い。 敢えてこれらの責任が叫ばれるということは、それだけ企業には不祥事や不正、環境破壊などが蔓延(はびこ)っていた事実の裏返しでもあるわけだ。

   一般的には、どのような企業であれ、本来まず一番に果たさなければならない責任は、1)会社を設立してくれた株主の期待を裏切らないこと(出資してくれた人に配当金を分配できるように会社が利益を出すこと)と、2)国を豊かにするために納税をすること、と言われる。 要するに「儲ける」ということが会社の使命であり、そのことが従業員や取引先、地域や国を豊かにするのであるから、この考え方に反対意見の人は少ない。 ここで書いているテーマは、あくまでも企業の「社会的責任」であり、CSRから一歩発展を遂げた、現在のESG(環境・社会・ガバナンス)にみられる企業経営の礎についてである。 今日はこの「社会的な責任」とは何かについて私なりに考えてみたい。

  前回までのコラムで日本人の気質のようなものについて書かせて頂いた。地理的にも歴史的にも諸外国からの介入が比較的少ない時代が長く続いたことにより、日本人は独自の文化を形成してきた。 日本は明治時代以降は西洋の文化と融合し、勤勉さも相まってGDP世界第3位の資本主義国家になった訳であるが、現代においてもこの国で暮らす国民たちは古来からの人との関わり方や生活における考え方はそう変わっていないように思える。 日本人の考え方の顕著なものの中には、「ひとさまに迷惑はかけない」というのがあり、人から受けた行為に対して決して恩を忘れず、生業(なりわい)も持って一生懸命働き、自らが属するコミュニティの中では問題を起こして他者に迷惑を起こさない、ということが言わば当たり前のDNAとなって次の世代へ継がれているかのようにも見える。なので、元来日本人にとっては、社会との共存や他者への尊敬、環境への配慮などは全く新しい考え方ではなく、ごく普通のことなのである。 令和の時代となって、昔に比べるとダイバーシティ(多様化)が進み、人々の価値観も一人一人が異なる中では、「社会的な責任」というフレーズでもそれぞれ違うイメージを持つ人々が多くいても全く不思議なことではない。 

   人々が社会をどのように定義づけるのかは問題ではないが、「社会が何を必要としているのか」には共通な認識がなければならないと思う。

   そもそもCSRのResponsibility(責任)という言葉の語源は、Response (応える)であり、さらに元のラテン語まで遡ると Re(返す) + spondere(約束する)となる。 したがい、「約束を持ってお返しする」という意味があり、 何に対してお返しするのかと言えば、それは「期待」に他ならない。

   それでは、社会が待ち望む期待は一体何なのか? ニーズは何か? それを前提としてアクションをとることで初めて「社会的活動をしている会社」と呼ばれるわけであるからこの問いはとても重要である。 家族からの期待でも、友人からの期待でも、相手が何を望んているのかをきちんと理解しなければ何の約束も応答もできていないことになるのと同様に、この社会が何を望んでいるのかを企業がしっかりと認識しない限り社会的責任は果たすことはできない。なので、まず社会に今何が起きているのか、社会に何が必要なのかを知ること、学ぶことから始めなければならない。 そしてこれはその社会に生きている私たち一人ひとりにとっても大切なことである。

   社会的責任を果たすのは何も大企業や専門家たちだけの専売特許ではなく、この社会を形成している一人ひとりがそれぞれに社会から期待されること、社会にとって必要なことに応えていくことができたら素晴らしいと思う。CSRではなく、ISR(Individual(個々の)Social Responsibility)である。このISRは多かれ少なかれ私たち一人ひとりが毎日できることだと信じているし、ESGやCSRを語る前にまず一個人のレベルで始めるべきだとも思う。

   先に述べた経済同友会決議「経営者の社会的責任の自覚と実践」は、その3年前の1953年に米国で出版されたボーウェンによる「ビジネスマンの社会的責任」がベースになっていると言われており、この時点ではビジネスマン一人ひとりの単位から社会的責任を果たしていこう、という考え方であったことがわかる。 

家族、友人、会社、地域、国のためにできること、一人一人がそれぞれできる範囲で実践していけたら本当に素晴らしい。

パンチョス萩原

コミュニケーションのルール 【SDGs 働きがいのある人間らしい(ディーセント・ワーク)の促進)】

   グローバル企業においては、本社の役員幹部がガバナンス構築のために世界各地に展開する関連会社の役員を兼務することは珍しいことではない。 私も以前の会社で事業部のCFO(Chief Financial Officer)であった頃には、上海、広州、シンガポール、米国ニュージャージー州、南アフリカ、デュッセルドルフ、ルクセンブルグなどの国にある関連会社で役職を兼務しており、現地で開催される経営会議や取締役会に頻繁に出張していた。 出張には当然飛行機を利用するのだが、私の場合、ANA、ルフトハンザ航空、エバー航空などが加盟するスターアライアンスを使うことが多かった。 久しぶりに当時(2018年)の手帳を見てみると、一年間で飛行機を利用した距離が800,000マイルを超えており、365日中、ざっと90日程度は地上にいなかったことになる。 現在は新型コロナの影響で海外への出張も無理な時分である。 以前のようにまた海外で活躍できるようになることを願わずにはいられない。

   さて、飛行機をご利用なさっている方々はご存じだと思うが、機内に乗り込んだ乗客が全員座席に着いた時にCA(キャビンアテンダント)が必ず行なうことがある。それは業務連絡だ。

「乗務員はドアーをマニュアルモードからオートマチックに変更し、相互確認を行なってください。」

   飛行中、万が一非常事態が発生し、緊急着陸などが必要になった場合に、ドアーをオートマチックモード(もしくはアームドポジションともいう)にしておかないとドアーを開けた時に脱出用スライドが自動的に出ないため、ドアーのモードを切り替えているのだ。 大げさに言えば、国連の定める持続可能な開発17の目標(SDGs)の169ターゲットのうち、11.2 「交通の安全性改善により、持続可能な輸送システムへのアクセスを提供する」に該当し、乗客を安全に守ることが目的の具体的なアクションの一つである。

   私はこの業務連絡の中でCAの方が使う「相互確認」という言葉が好きだ。英語で言えば Cross-Checking である。 実際にCAの方々は、機体前方と後方のドアーにそれぞれ立ち、相互確認はドアーモードを切り替えた後、FBの「いいね」の形で確認を行なっている。 機内の電話で確認し合うことはできるのだろうが、親指を立てて「OK!」というサインを目視する方がより確実であることは間違いない。

   相互確認はビジネスのあらゆるシーンで見られる。例えば、為替予約取引(為替ヘッジ)をする際に、金融機関から提示された為替レートでOKな場合は、「それでいいですよ」とか「お願いします」ではなく、「そのレートでDONE(ダン)です」と言う。DONEと言われたら直ちに金融機関は取引日の通貨をオンラインで予約する処理を行なうため、一旦DONEしたものを買い手側は取り消すことはできない。このDONEが使われるのは、「いいです」や「お願いします」などで聞き間違いや誤解が生じるのを避けるためである。また、取締役会や株主総会では、会議の中で話したり決定した内容は参加者、発言者、決定された事項などを纏めた議事録が作成されるが、関係者に配布される前に内容を参加者、発言者らに徹底して再確認し、「これは議事録に載せないでください」とか、「この言い方は別の表現でお願いします」など誤解や問題が生じないようにしている。 警察、軍隊の使う無線でも相手からの通信に対し、「Roger(ラジャー「Received」の「R」を聞き間違われないように表す言葉)」や「Copy(確かに自分の心に写し取った)」という返答を行なう。相互確認はビジネスをはじめ、どのような組織でも大変重要なアクションなのだ。

   ところが、一般的に日本人はこの相互確認を敢えてする、という文化にあまり馴染んでいないように感じている。 取引先ときちんと内容を理解し、詳細を詰めた契約書を作っていないことが多かったり、上司から一方通行で部下に指示をし、後日「オレはそういうことを言いたかったんじゃない。やり直せ。」、「では初めからそう言って下さい!」という日常の何と多いことか。 本音を表面に出さずに “言外に匂わせる(相手に察してもらう)”方が、細かいところまで根掘り葉掘り確認し合うよりも奥ゆかしいと感じる気持ち自体は、たしかに私自身にもある。 しかしながらテレワークが日常化している現在、メールでコミュニケーションをとることが当たり前の中、この「相互確認」を改めて意識して行なう必要があると思う。

   相互確認はお互いの信頼関係の上に成り立つ。 また、作業のやり直しや、後々の無駄な議論をなくす上でも大幅な時間効率の改善となり、働きがいある職場づくりに大いに役立つ行動だ。 信頼関係はコミュニケーションをしている相手に関心を持ち、気持ちを理解し、受入れるところから始まる。会社での上司・同僚・部下との人間関係であれ、私生活の家族・友人・SNS上の友達などにおいて、相手を尊敬し、お互いの気持ちや言い分をきちんと確認し合うことによって、よりよいコミュニケーションをしていきたい。

他人のことに関心を持たない人間は苦難の道を歩まねばならず、他人に対しても大きな迷惑をかけることになる。人間のあらゆる失敗はそういう人たちの間から生まれるのです。

アルフレッド・アドラー(精神科医・心理学者・社会理論家)

パンチョス萩原

Apple時価総額世界一 【ESG】

   私の個人用のスマホはずっとアンドロイド搭載のXPERIAシリーズであるが、現在の会社から貸与されている会社用の携帯はiPhoneである。 どちらも使い勝手に大差はないが、個人的にデザイン性ではiPhoneの方が上のような気がしてならない。 30年ほど前には白黒画面のMacintosh ClassicやPerforma ではCD-ROMによる学習ソフトで勉強をしていた。 現在のようなネットで何でも手に入るような時代とはほど遠いが、いつの時代も不変であると思われるのはApple社の独創性と卓越した製品ではないだろうか。

   そのAppleが先週7月31日のニューヨーク株式市場で好調な業績が好感を受け、上場来の高値を更新し、時価総額が世界最大の1兆8400億ドル(約193兆円)となった。これまで首位であったサウジアラビアの国営会社Saudi Aramcoを抜いた。 

   Saudi Aramcoは今年で設立してから87年もの歴史を持つが、数々の戦争やオイル利権の受難の中、1988年に国営化され、昨年2019年12月にサウジ証券取引上に上場を果たした石油会社であるが、上場したとたんに時価総額が2兆ドルを超え、世界一となったことで大きく話題となった。その後は株価が落ち、2020年に入ってからは時価総額が1195億ドル減っている。一方、Appleの時価総額は年初から5375億ドル増えた。 

両社の違いとは一体何なのだろうか?

   もちろん、Appleの時価総額世界一返り咲きの背景にはその前日に発表した好決算であって、これが大きく投資マネーを呼び込んだことは間違いないと思う。  コロナ禍の中、Stay Homeが全世界で実践され、テレワークや自宅学習の機会が膨大に増え、Appleは大きく販売を増やした。 また、株式分割も行なったことで個人の投資家がApple株を買いやすくなったことも要因にあると思う。 次世代の5G対応端末への期待感やコロナが長引くことによるテレワークにおるオンラインでのビジネスや学習需要で、ハイテク株への投資家の思いは熱い現状がある。 これはグーグル、アマゾンも同様に株価が上昇している。

  一方、Saudi Aramcoなどのエネルギー株は、現在の原油価格から見た場合に採算が悪化し続けている。私も20代に海洋油田開発のための石油掘削船を保有する会社の経理部にいたことがあり、中国の広州、オーストラリアのパース、香港などでメジャーセブンからの掘削契約のために現地会社の経理業務をした経験があるが、当時は海底3000メートル近くまで石油の鉱脈を目指して掘っても20本に1本ヒットするか博打のような状況であった。しかも商業ベースに乗る埋蔵量がある場合はさらに確率が低くなる。 したがい、原油価格が上がらなければ世界の石油会社は大赤字で鉱脈を見つけなければならなくなるわけだ。 コロナ禍では原油需要はさらに見込めず、石油業界にとってはとても厳しい冬の時代が来ていると言っても過言ではないと思う。

  さらに懸念すべきは、ESG投資の広がりで、対策が遅れているエネルギー企業が投資銘柄から外されることが起こり、投資マネーが入ってこないために株価が上がらないことも最近顕著になってきている。   

Appleの時価総額世界一よりも、その座を譲ったSaudi Aramcoの現状を垣間見ることにより、ESGに積極的な姿勢を出しているかが会社の明暗を分けていることを感じている。 

(パンチョス萩原)

日本人と欧米人 捉え方の違い [SDGs・ダイバーシティ]

 素晴らしい文章と洞察力に触れた、と思った。

 イギリスの科学ジャーナリストのEd Yong (エド・ヨン)氏がThe Atlanticに寄稿した”How the Pandemic Defeated America“ (「パンデミックはいかにしてアメリカを打ち負かしたか」)を読んだ。 ちまたに溢れている新型コロナ関連の記事である。一般的には「世界で蔓延して1800万人以上が感染している新型コロナは…」とか、「私たちの日常生活をガラリと変えた今回の新型コロナウィルスは…」とかいう始まり方をするものだが、Ed Yong氏は科学者の目から見たまま、冒頭こう始める;「どうやったらそんなことができる? 塵(ちり)の数千倍も小さい超微粒子が、この惑星で最も力強い大国を屈服し、屈辱を与えるなんてことが…」。

 思わず興味をそそられた。Ed Yong氏の記述は大変な洞察に満ちており、非常に説得力のある根拠に基づいているので、お時間がある方、興味のある方はぜひお読み頂ければと思うが、私が記述と全く関係ないところで今回改めて感じたことがあった。それは新型コロナウィルスに対する英語の表現と、日本語での表現の違いである。今日は感じたままにそのことをお伝えしたい。

 殆ど論文に近い今回のEd Yong氏の記事では、新型コロナウィルスに関して使用されている英単語は、主に ”outbreak” と ”spillover” である。Outbreak は訳すれば「外に拡がる」であり、spillover は「溢れ出る」という意味である。すなわち、英語圏の考え方は、「ウィルスが中心地から外側へ拡がり、溢れ出ていく」という発想がベースとなっており、水面に葉が落ちて同心円に波紋が広がっていくようなイメージが浮かぶ。

 対して日本語では、ウィルスに「感染」するという表現が一般的であり、どこから来たのかはわからないが、ウィルスが自分の体に外側から入ってくる、という受け身の表現をとっている。「蔓延する」という表現も自分たちがいる空間上にその存在を確認する、という意味では受動的表現である。 要するに向いている矢印の向きが逆なのである。 反論として英語でも感染を表す単語に “infection” があるが、これは体内で「作用する」という意味合いの方が強い(語源も in+fect(to make))ので、日本語にある「感染する」という状態のみを表す受動的表現の意味合いとは少し毛色が違うと感じる。 


 あくまでも想像に過ぎないが、欧米人には、ウィルスなる悪いものが外側へ拡がっていく中であらゆる禍をもたらしていく、だからそれに立ち向かう、という発想がoutbreakや spilloverなどの表現を通して表されており、それは古来ギリシャ神話に登場するパンドラの箱を開けてしまったためにあらゆる悪がこの世に溢れ出た話や、悪に手を染めたものは容赦なく裁かれるという旧約聖書の父なる神のような発想に由来するために、トランプ大統領のように「誰がウィルスをまき散らしたのか?中国が陰謀で世界に拡げたのだ!」という考え方が生まれているように思われる。

 それに対し、日本人には森羅万象のあらゆる事象、震災や今回の新型コロナウィルスのようなものもありのまま内側に受入れ、最善を尽くすという考え、また母なる菩薩に慈悲を頂き恩恵を受けようとする発想が根底にあるのかもしれない。今年の2月にダイヤモンド・プリンセス号で新型コロナの集団感染が報道された時に「いったい誰がウィルスを持ち込んだのか?処罰せよ!」という報道が果たしてあっただろうか?恐らく香港に停泊した時に乗客が持ち込んだのであろうが、日本での報道では、ウィルスの怖さと懸命に戦う医療現場の様子が大半で、乗客らが感染した原因を徹底調査したニュースを私は見たことがない。

 ダイバーシティ(多様化)という言葉が今のような意味合いで初めて使われだしたのは、アメリカで公民権法が制定され、黒人差別の撤廃運動が日の目を浴び始めた1960年代に遡る。それから半世紀がたち、日本でも未だ不十分ではあるが、ようやく女性の活躍や社会的弱者に対しても日常の生活に普通に見られる風潮になった。 本当の意味でのダイバーシティを語る知識も資格も私にはないが、自分と違う他者のことを理解し受入れるという意味では、日本人の受動的な考え方・気質こそ多様化していく社会を作り上げるのに必要なものではないだろうか。

パンチョス萩原

How the Pandemic Defeated America by Ed Yong https://www.theatlantic.com/magazine/archive/2020/09/coronavirus-american-failure/614191/

テスラに思う [ESG]

最近、高速道路でいかにも高級セダンを見かけることが多くなった。テスラである。幾分流線形を帯びたボディにT字型のロゴを入れたモデルSがとても静かに、そして優雅に私の車を追い越していく。それにしても1000万円以上もする車を持っている人たちって凄いなーと思う。

テスラが米カリフォルニア州で2003年に操業した時分には、現在のCEOイーロン・マスク氏は単なる投資家であったが、その5年後に最高経営責任者(CEO)に就任、高級セダン「モデルS」で当時先駆けであったEV市場を切り開いた。2017年には小型車「モデル3」で量販車市場にも参入しはじめ、2020年現在は、アメリカと中国に工場を保有し、EVの累計生産台数も100万台を突破したところである。売上高は約2兆6千億円で、トヨタ自動車の30兆円にはほど遠いが、いま、テスラに大きな変化が起きている。この一年で株価が6倍となり、今年7月1日には時価総額が約22兆2700億円に達し、トヨタ自動車を抜いて世界トップとなったのだ。 生産台数もようやく100万台になったばかり、なおかつ、経理をかじった人なら一度は目にするPBR(株価÷1株当たり純資産、または時価総額÷純資産)が約30倍と桁違いに高い数字であるにもかかわらず、一介の後手参入企業が一躍時価総額トップに躍り出たのか?という疑問が湧く。同様なことは過去1990年代後半にマイクロソフトの時価総額が純資産を大きく上回ったことがあったが、今まさにそれが起きた感じである。

個人的には3つの理由があると思う。

1つはテスラの自動運転において圧倒的なオートパイロットソフト「FSD」の存在であり、1秒間に144兆回もの演算能力を持つこの車載コンピュータは、2019年以降すべての車に標準搭載されている。 テスラは車を購入した後でも定期的なソフトの更新を行うことによって常に収入を得るビジネスモデルを構築している。 もう一つはかつてのビル・ゲイツ本人の持つ頭脳に対する無形固定資産的な価値が、現在のテスラCEOのイーロン・マスク氏にも当てはめられるために株価が押しあがっていることだ。市場はイーロン・マスク氏のカリスマ性にテスラの将来を期待しているところがあると思う。最後は電気自動車に特化し気候変動や省エネルギーに企業として取り組むテスラに対し、投資家たちがESG銘柄として積極的に投資をし続けていることだと思う。 時価総額を上げていると思われるこの3つの要素を見ていると、テスラは自動車メーカーというよりアマゾンやグーグル同様のIT企業のようにも見えてくる(少なくともカイゼンなどコストを徹底的に抑えて利益を確保する他の自動車メーカーと異なり、自動運転ソフトによる絶大な付加価値創出をビジネスモデルに取り入れた異色の自動車メーカーであることは事実であろうと思う)。

一方でテスラは2018年大きなガバナンス問題に直面したことがあった。 その年の8月にイーロン・マスク氏が「1株420ドルで株式の非公開化を検討している。資金も確保した」とツイッターに書き込んだために、株価が大きく動いたが、その後計画を撤回した。結果、米証券取引委員会(SEC)から訴追を受け、当時会長職であったイーロン・マスク氏は会長職を退かされ、罰金を支払うことで和解するはめに陥ったことを覚えていらっしゃる方々も多いと思う。その後テスラはガバナンス機能を充実させた。現在の投資家たちは、イーロン・マスク氏の功績と、自動運転機能を搭載する電気自動車の量産の成功を、より環境に優しく(Environment)、運転者に優しく(Social)、経営陣のガバナンス(Governance)もしっかりとしていることを高く評価し、テスラへの投資をおこなっているのであろう。 

テスラは独自のショールームも一切持たず店舗はほとんどがショッピングセンターの中にあり、TVやネットの広告も流さない。 そういった取り組みもIT企業や家電メーカーに近い感じがする。 テスラを見ていると、これからの企業が社会に対し、何をしていけばよいのかを示唆しているようで新聞やネットで記事を見るのが今はとても楽しい。

パンチョス萩原

ESG投資のコミュニティ

Facebookグループ「ESG投資をみんなで学ぶコミュニティ」をつくりました!

おそらく初のESG投資に特化した公開グループだと思われます。

SDGsのグループはたくさんあります。
大きなグループだと1万人以上もメンバーがいて、
SDGs活動や記事の紹介や、コメントや「いいね」が多いです。
みんなで達成を目指そう、応援したい、というエネルギーを感じます。

ESGもそのような活発なグループになったらいいなと思います。

▼一緒にESG投資を学びましょう!
https://www.facebook.com/groups/esgtoushi

<グループについて>
最近よく日経新聞などで目にする「ESG投資」、
どうして重要なのか、投資リターンは実際どうなのか、
と気になったことはありませんか?

ESG投資や関連するSDGsなどの情報や意見を
みんなでシェアしながら理解を深めて、
仕事や投資に活かしていきましょう。

【このような方向け】
・ESG投資に関心があり理解を深めたい
・ESG投資をしていて情報収集や意見交換をしたい
・会社でESG投資・SDGs・サスティナビリティ関連部署に所属している
・SDGsを推進するためにESG投資の動向を学びたい

ESG投資セミナー

なかなかニッチなトピックでお送りしましたが
ご参加いただいたみなさま、ありがとうございました!

わかりやすさや運営は改善の余地がたくさんあるので
次回に活かして参ります。

MBAのプレゼンはグループで、時間は長くても30分。
今回はオンラインで、初めてご参加いただく方向けでした。
プレゼン上達には、もっと場数を踏まねばと思いました。

Miso活

SDGsオンライン講義の売上の一部を寄付しました。
http://www.soi-soi.com/miso/

なぜ寄付をするのかというと、Soiには
「Profit Optimization(利益の最適化)」というコンセプトがあります。
利益の最大化のみを追求するのではなく、
利益の一部を社会貢献に投資する考えです。

たくさんの金額を寄付したのではないですが、
Soiの大切な考えを実行できて、とても嬉しかったです。